Suno AI を使っていると、「もう少しだけ、こういう雰囲気にしたいんだけどなぁ」という感覚にぶつかります。テンポをもう少し速く、ギターをもう少し前に出して、ボーカルはもっとハスキーに — そうした細かい調整を言葉で伝えるのが、プロンプト設計という作業です。

運営者は AI Gakufu 用のデモ音源を作る過程で、Suno AI の V3〜V4 にかけて数百曲以上生成してきました。その試行錯誤のなかで、「これは効いた」というプロンプトパターンが見えてきたので、体系化してお伝えします。

この記事でわかること
  • Suno AI プロンプトの基本構造(4要素モデル)
  • ジャンル語・楽器・テンポ・ムードの書き方
  • Custom Mode と Simple Mode の使い分け
  • 歌詞を入れるときの [Verse] [Chorus] タグの使い方
  • 再現性を上げる Seed と Persona の使い方

基本構造 — 効くプロンプトは4つの要素でできている

運営者の経験上、Suno AI に伝わりやすいプロンプトは「ジャンル・楽器・テンポ/ムード・年代/文化的文脈」の4要素を含んでいます。これをフォーマット化すると次のようになります。

[ジャンル], [主要楽器], [テンポ/ムード], [年代/文化的文脈]

例:

逆にうまくいかないのは、「いい感じの曲」「かっこいい曲」「泣ける曲」のような抽象的な指示。AIは「いい感じ」を学習していないので、もっと具体的な語で分解する必要があります。

ジャンル語 — 最初の1語で世界観が決まる

Suno AI は内部で膨大なジャンル語彙を学習しています。一般的なジャンル名(rock, pop, jazz, hip hop, electronic, classical, country)はもちろん、サブジャンル語も効きます。

運営者が実際に効果を確認したサブジャンル例:

ジャンルを2つ組み合わせると個性が出やすくなります。例えば lo-fi jazzorchestral hip hopindie folk electronic など。ただし3つ以上を混ぜると破綻しやすいので2つまでが無難です。

楽器指定 — "guitar"だけでは足りない

「ギター」と一口に言っても、アコースティック、エレキ、クラシックギター、12弦、スライドギターなど多種多様です。具体的な楽器名を書くと、AIはそれに近い音色を選んでくれます。

効いた楽器表現の例

ざっくり具体的
guitarfingerpicked acoustic guitar / distorted electric guitar / warm jazz guitar
pianorhodes piano / grand piano / upright piano / mellow electric piano
drumsboom bap drums / trap hi-hats / brushed jazz drums / 808 kicks
synthanalog moog bass / supersaw lead / detuned pad / FM keys
stringssweeping orchestral strings / solo cello / pizzicato violin

さらに「主役」を指定したいときは featuring [楽器名] と書くと、その楽器が前に出やすくなります。例:ambient pop, featuring soprano saxophone, slow tempo

テンポとムードの書き方

テンポは数値(BPM)でも感覚語でも指定できますが、感覚語のほうが破綻しにくいというのが運営者の体感です。

ムードは感情の形容詞を使います。melancholic, uplifting, dreamy, nostalgic, aggressive, hopeful, romantic, haunting など。2語までに絞ると方向性が明確になります。

Simple Mode と Custom Mode の使い分け

Suno AI には「自然言語で放り込むだけ」の Simple Mode と、歌詞・タイトル・スタイルを別欄に入力する Custom Mode があります。運営者の使い分けは次の通り。

Simple Modeを使う場合

Custom Modeを使う場合

歌詞の書き方 — セクションタグを活用する

Custom Modeで歌詞を入れる場合、[Verse] [Chorus] [Bridge] などのセクションタグを使うと構成がくっきりします。例:

[Intro]
(instrumental, 8 bars)

[Verse 1]
夜の電車 窓に映る
知らない街の灯りたち

[Chorus]
まだ終わらない 君の歌が
遠くで響いている

[Verse 2]
傘を忘れた帰り道
雨の匂い 思い出す

[Chorus]
まだ終わらない 君の歌が
遠くで響いている

[Bridge]
(guitar solo, 4 bars)

[Outro]
fade out slowly

この形式にすると、AIはセクションごとにアレンジを変えてくれることが多くなります。サビで楽器が増えたり、ブリッジでソロが入ったり。

その他、効くカスタムタグ:

再現性を上げる — Seed と Persona

V4以降、Suno AI には「気に入った曲の雰囲気で別の曲を作る」機能があります。これを活用すると、同じアーティスト感で複数の楽曲を作れます。

運営者がデモ用のBGMを作るときは、まず満足する1曲を作り、それをPersona化してからEPのように何曲も生成する、という手順を取ります。バラツキが減って、まとまりのあるプロジェクトになります。

NGプロンプト — やらないほうがいいこと

逆に、失敗しやすいプロンプトの特徴は次の通り。

実例 — 運営者が実際に使ったプロンプト3つ

1. AI Gakufu トップページBGM用

ambient electronic, soft rhodes piano and airy pads, slow tempo, dreamy and hopeful, modern japanese aesthetic

→ 3分ほどの環境音楽的なトラック。サイト背景の動画にマッチ。

2. 紹介動画のオープニング

cinematic orchestral, rising strings and subtle percussion, dramatic build-up, 30 seconds, epic movie trailer style

→ ショート動画のオープニングに合う高揚感のあるイントロ。

3. 開発中の気分転換用

lo-fi hip hop, warm tape saturated drums, jazzy chords on electric piano, mid-tempo, rainy tokyo evening

→ 作業BGM。何時間でも流しっぱなしにできる。

最後に — プロンプトは対話だと考える

Suno AI のプロンプトは「一発で完璧な曲を出す魔法」ではなく、AIとの対話の第一声です。思い通りにならなかったら、気に入った部分を活かして Remix/Extend する、プロンプトを少しずつ変えて再生成する、Persona化して方向性を固める。この繰り返しで、「自分の曲」と呼べる完成度にたどり着きます。

そして完成した曲は、ぜひ AI Gakufu で楽譜化してみてください。音として聞くのとはまったく違う発見があります。

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